Deep! Flat! Limited! そしてAmbiguous!

フィルムスクールに行った人なら聞いたことあるであろう単語。

 

Deep Spaceは消失点、透視法などの遠近法を駆使し、絵に奥行きを持たせた空間。

Flat SpaceはDeep Spaceの真逆で、壁を背景にするなどして奥行きを極力無くした空間。

Limited Spaceは窓枠や壁などを利用して絵をマスキングすることにより一部のキャラクターや背景を孤立させる空間。

Ambiguous Spaceは鏡の反射やディストーションを利用し定義し難い空間を作る出す事。

添付してある写真はLimited Spaceの参考例である。コメディ映画などを観るとFlat Spaceが多用され、重いヒューマンドラマなどはDeep SpaceやLimited Spaceを多用しているのがわかる。だが一概にDeep Spaceを使えば奥行きが出るかというとそうでもない。プロダクションデザインを組み合わせることによって奥行きがあるはずなのに閉ざされた空間を作り出す事も可能で、心理作用を加えるとそのバリエーションは無限にある。

 

学生映画を撮っていた時代、「このシーンはFlatに行こう!」っと言った会話が多かったがプロの現場になると滅法減った気がする。故にベテランの監督がこのような言葉を使うと妙に嬉しくなる。

こういったシンプルな言葉をコンセプトとして明言し、チームの方向性を定めることは時には大切だと思う。